2014年11月28日金曜日

江戸時代の灯りの道具

私の仕事では古い道具を扱う事が多いです。
今は江戸時代、だいたい17~18世紀の道具を整理しています。
今までもっと古いものばかり扱っていたので「江戸の道具なんか・・・」とちょっと見下しておりましたが、段々とその魅力に取りつかれつつあります。
特に肥前国の波佐見焼(最近もモダンな波佐見焼が人気ですよね)、くらわんか茶碗と呼ばれる庶民の食器が好きになりました。
同じ伊万里(伊万里焼とは伊万里港から出荷される磁器の総称です)でも有田とは違った、あの灰色の器肌とマットな感じの仕上がりがとても好みで・・・ボッテリとした厚みも確かに薄手で綺麗な磁器より扱いづらいですが、何故か手に馴染んで温かみを感じます。
好きが高じてとうとう骨董市デビューも果たしてしまいました。しかし五寸皿でも軽く10000円オーバーでした・・・資金をしっかり準備しての再チャレンジを誓いました。

そんな道具たちの中で、今日ちょっと新たに興味を持ったのが「秉燭」という道具です。ひょうそく、へいしょくなどと読みます。
これは灯明皿と同じく明かりをともす道具で、ガス灯や電気が普及するまでよく使われていました。
今日扱ったのは「たんころ形」と呼ばれるもの(他に脚の付いたもの、把手のついたものなど色々あります)です。ちょうど手のひらにコロンと収まる鉢のような形をしていて、中央の突起の穴に芯を入れ、周りに植物油などを入れて火をともしました。
灯明皿よりも油の持ちが良いとされ、特にたんころ形は店先・軒先の「掛行灯」の中に置く形で使われました。

こうしたものが欠ける部分が無い完全な形で残っていると感動します。
実はいまでも使えるのでは?と思えてしまうほどです。
秉燭はもうしばらく扱いますので、その可愛さを存分に楽しんでおこうと思います。

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