私は中学生まで、父に北アルプスや八ヶ岳などに連れていかれており、成人してからも1000~2000mクラスの山をちょこちょこ登っていました。
今回の縄文杉は久々の登山、歩く時間も長いけど、「トレッキング」っていうくらいだから大丈夫だろう…という心持ちで、それでも道具類はしっかり準備して臨みました。
結果、あれはもう登山です…トレッキングなんて横文字使っちゃ駄目ですよ…縄文杉登山で良いではないですか。ブランク明けに行くところではなかった、というのが正直な感想です。
それでも普段では決して見ることのできない、山々の深い景色に包まれての登山は素晴らしい時間でした。
そんな縄文杉登山の思い出です。
朝は6時過ぎにホテルを出発。事前に予約したお弁当をフロントで受取ります。朝ごはんと昼ごはんで2個ありました。
オフシーズンは、登山口までのバスはありません。途中のバス停から歩くなんてのも到底ムリ。ですのでレンタカーで向かいます。尾之間から登山口までは1時間ちょっとでしょうか。中々のウネウネ道を通り、写真の登山口に到着です。
夏には行列ができるくらい人気の縄文杉登山ですが、2月終わりのこの日は私を含め12~13組くらいしかいませんでした。
登山口にはとても綺麗なトイレや更衣室が備わっています。ここで準備をしっかり整え、いざ出発。
登山届を提出するボックスがありますが、事前に観光協会などに提出する事も可能です。私は前日に済ませました。
入口には、「登山口スタートは朝7時まで」と注意書きがあります。全行程で10時間かかるので、これは厳守です。
トロッコ軌道を歩いて、渓流沿いの森の中へ…
途中こんな風に川を渡ります。最初はとても怖かったのですが、何回もこうした場所が出てくるので、途中から感覚がマヒしました。かえって怖い?
トロッコ軌道を、とにかくまっすぐ進みます…
私だけかもしれませんが、このトロッコ道、足首を固めるタイプのガッツリ登山靴だと歩きにくいです。枕木に歩幅が合わせづらいのです。
この道は2時間半、往復で5時間弱のお付き合いになるので、滑りにくいスニーカーのほうが足が疲れないかもしれません。
橋で下流方向を見ると、結構歩いてきたなあと感慨深くなりますが、登山口までまだ半分以上の距離があります…この辺りでスマホの電波とはお別れです。
トロッコ道の脇で、このように水がしみ出て流れるところをよく目にしました。
この頃7時半くらいでしょうか。やっと山の尾根から太陽が昇ってきました。
トロッコ軌道ツライ!と音を上げはじめたところで、最初の通過ポイントである小杉谷学校前に到着しました。
最盛期には130戸あまりの集落があったなんて、にわかには信じられません。
屋久島出身の知人が「子どもの頃はトロッコに乗せてもらったよ」と言っていたのを思い出し、重要な交通手段だったんだろうなあ…と往時をしのびました。
(ちなみにトロッコ軌道は現在も現役で、杉の切り出し時に使用されています)
ここで朝ごはんのお弁当を食べました。
しばしの休憩ののち、トロッコ軌道歩きを再開します。
小杉学校の辺りからは、枕木の間に板が敷かれて、歩きやすくなっていました。
楠川分かれという、「もののけの森」として有名な白谷雲水峡への分岐点にもトイレがあります。
健脚な人は、白谷雲水峡~楠川分かれ~縄文杉の往復を日帰りで踏破するのだとか。私には到底ムリであります!
楠川分かれから10分ほど歩くと三代杉が見えてきます。
こういう大きな杉が残るエリアに入ってきたんだなあ。
トロッコ道の脇に現れる渓流はどんどん細くなり、より澄んだ水をたたえるようになります。
まだまだトロッコ道は続きます…
こちらは仁王杉、阿形です。中央の瘤の辺りが仁王様に似ている事からこの名がつきました。吽形は倒れてしまったそう…
いい加減森も深さを増し、そろそろ着かないかな…もうすぐかな…まだかな…とモヤモヤしながら、緩やかな登りのトロッコ道を進みます。
途中で渓流や滝、ふかふかの苔や、屋久島の中央に連なる山々を眺めつつ、早く登山道入口に着かなければと気がせいてしまいます。タイムリミットは10時です。
…という気分で歩いていると、急に写真のような階段が現れます。あまりに突然現れたので、ここが登山道入口だと気づきませんでした。この先にあるトイレ棟を見て初めて「着いたー!」と安堵。
ここが最後のまともなトイレです。
しっかり準備して、いざ大株歩道へ!
後編に続きます。
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