2017年3月10日金曜日

屋久島に行ってきました-縄文杉登山(後編・大株歩道登山)

さて3時間の行程を経て、やっとたどり着いた登山道、大株歩道入口。
ここに着くまでひたすら歩いたトロッコ道は、長くとも平坦で道に迷う事はありませんでした。
ここからは別世界となります…


入口の階段を登ると一気に山の雰囲気。やっと「登山」だ!とワクワクしながら進みます。


はい、こちら登山道です。


これも登山道です(木の間)。


決して道を間違えて、山に入り込んでしまった訳ではありません。
誰かが「縄文杉なんて迷わないよ!」と言っていましたが、それはオンシーズンの話なのでは…
周囲に人はいない(おそらく日帰り客は私が最後尾)ので、自分で道を判断して進みます。目印の赤紐や、人が踏み固めたあとを進むと、登山道(どうでもいいが大株「歩道」なんて名前付けないでほしい)として整えられた木道が途切れ途切れで現れます。
気をつけていても、たまに「あれっ?」とわからなくなりました。特に帰り道。


トロッコ道に飽き飽きしていた私は、こうした起伏に富んだルートが楽しくて、疲れも忘れて進みます。


40分ほど登ると翁杉に到着です。
縄文杉に次ぐ大きな杉で、樹齢約2000年でしたが、残念ながら2010年に倒れてしまいました。
翁杉から先は、登山道が比較的整備されています。


登山道に入ると、ところどころ雪が残っていました。
実はこの10日ほど前、屋久島を寒波が襲い、結構な積雪がありました。
数日前に登った方々が、登山道の雪を除けてくださったとのこと。とても有難いです。
雨なら雨具でしのいでしまうけど、雪山登山はさすがに無理、と気をもんでいたのです。
念のためレンタルショップでゴムスパイク(自然保護のためチェーンスパイクは使用禁止)を借りていましたが、出番無くて済みました。


10分ほどで次のポイント、ウィルソン株に到着です。
とても大きな杉でしたが、それ故に16世紀に伐採、木材にされました。
ちなみに屋久島の木材は島津家の重要な資産とされ、江戸時代には年貢として納められてた歴史があります。この辺りの歴史については、屋久杉自然館で学ぶ事ができます。
400年以上前にここまで伐採しに来たのか!と驚きました。


ウィルソン株といえば、例のアレの写真です。
祠が祀られている切り株内に失礼して…


試行錯誤の末、綺麗に撮れました♪
こんな形に見えるなんて、不思議ですよねえ。
株の中は湧き水が流れていて、ハートよりもその様子に心惹かれました。


ウィルソン株を過ぎると、苦行の再開です。木道や階段が整備されていますが、結構登っていくのです。これがキツい。


深い森の中で、陽の光がサッと入る様子は、何とも言えず美しい光景でした。
独りで味わえる景色や静寂、何という贅沢な時間でしょうか。


途中、このように行き違えるところがありました。
確かにこの登りだと、ペースの違う人たちがそれぞれ進みやすくするためには、こうした場所がないと危ないですよね。
オンシーズンは激コミになるのでしょうね…


1時間ほど登って見えてきた大王杉。
とても大きくて、これが縄文杉って言われても素直に信じるなあと思いました。
樹齢は3000年と考えられていて、やもすると縄文杉よりも古いかもしれません。
いずれにしても縄文時代からこの地に生きている杉の木です。


この辺りに来ると、渓流はもう見えてきません。
写真のように木々の根に水が流れて溜まる、という感じ。
ホンマもんの源流です。大事な景色。


大王杉を過ぎて、夫婦杉を過ぎて、この辺りはもう登ることしか考えられず、あまり写真を撮っていません。
ちょうど下山する方々とすれ違う時間帯で、「あと少し」「がんばれ」と声をかけて頂くのですが、その少しがとても遠い。
縄文杉の展望台までがこれまた急な階段でして、ここまで来てこれか!と一気に疲れましたが、すれ違った方に「ここまで来たら本当にあと少し!頑張って!」と声をかけて頂き、気力が回復!無事にゴールにたどり着く事ができました。


この時、上方にあるもう一つの展望デッキは補修中で入れませんでした。
下から見上げるかたちでもじゅうぶん。
写真だと小さく見えますが、保護のためにすぐそばまで寄れないからなのです。
幹回りは16m程度。とても大きな杉でした。


さて、登ったからには降りなくてはなりません。
しかも時間制限付き。
縄文杉を13時前に出発し、ひたすら戻ります。
念のため持ってきたストックがとても役に立ちました。勿論ゴムを履かせて使いましたよ。


縄文杉の周りまで来ると、何というか森が素晴らしい。
いつまでも過ごしていたくなります。
縄文杉から15分ほど登ると、高塚小屋という山小屋(本当に小屋だけ)があります。今度登る時はここでの一泊を是非考えよう、と思いました。

歩いて歩いて、登山口駐車場に着いたのは17時半!
何とか陽が沈みきる前に戻る事ができました。

この日の夜と翌日は、身体がバッキバキ…!
ホテルの温泉とマッサージが無ければ、帰れなかったかもしれません。



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