2015年8月9日日曜日

良い年こいて青春18きっぷ旅:1日目

さて1日目の予定は中々ハード。

鹿児島中央-隼人-吉松-人吉-熊本-肥後大津-宮地-豊後竹田-大分

こんな乗り換えでした。

鹿児島中央駅では久々の18きっぷにワクワクしながら、改札で検札印を押してもらいます。

9時40分発の国分行き普通列車に乗ります。本当は「はやとの風」と洒落こみたかったですが、18きっぷ旅なので我慢我慢。それでも2人がけのすごく素敵な座席で、本当に普通かと疑いたくなるくらいです。これだから九州の列車旅はやめられません。
日豊本線のこの区間は、何年か前に仕事で長期滞在した折には何度も乗った路線です。鹿児島市街地から出ると一気に緑が多い車窓になるのが印象的で、「鹿児島の森は(木々が)こんなに厚く茂るのか!」と驚いたものです。キラキラ光る錦江湾に、どーんと構える桜島も素敵。

隼人駅では都城行きに乗り換えて吉松を目指します。日当山駅を過ぎると列車はどんどん山の中に入っていきます。嘉例川駅、霧島温泉駅(この間はトンネルが多いですが)と川沿いを走り、ああ4日前はこの自然を満喫しながら貸切湯に入ったなあ…と思い返しているうちに、湧水町の粟野駅あたりになると、すっかり山とはお別れで盆地へと入ります。嘉例川や大隅横川駅の素敵な駅舎も、今回は車内から眺めるに留めました。

吉松駅に着き、待望の「しんぺい号」に乗車します。乗り換え時間が6分と短いのと、それなのにキャリーケースを持って陸橋を渡るもどかしさと、いよいよ乗れるというワクワク感でさっさと乗り込んでしまう私。乗ったら乗ったで内装の素晴らしさにキャッホーと見学しまくる私…周囲の方々すみませぬ…
この日は平日だった事もあり乗客は少なめでしたが、=私のようにガッツリ旅を楽しむ方々ばがりとお見受けしました。皆さん手にカメラを持ち、私以上に真剣に車内を巡っておられ…わかりますその気持ち。これだけ素敵なモノを目にしたら、鉄道好きじゃなくても舞い上がってしまいますよね。

車内がクラシカル感溢れる素敵な造りである事は、もう散々ネットに上がっておりますので割愛します。
そして何と!ボックス席でありながら、平日ゆえのラッキーで私1人しか座りません!どうやらこの日は外国からのツアー客が多く、皆さんまとまったボックス席に座っていたのでこうしたラッキーにありつけたらしい。頑張って1ヶ月前に座席指定した甲斐がありました…

しんぺい号はイベント列車なので、道中駅の見学ができたり、ビューポイントで徐行運転をしてくれたり、スイッチバック等の解説が流れたりとサービス満点。それに合わせてアチコチ動く…マッタリ過ごそうと考えていたけれどそれは無理だった…ので、自分の席には半分の時間も居なかったかもしれない。
実はしんぺい号に乗るのは初めてではないのです。でも以前は急に「じゃあ乗るか!」としたもんだから、もう興奮しすぎて何が何やら、「素敵でした!」という印象しか残りませんでした。では今回は?というと、やはり大興奮だったけど、心の準備ができていた分しっかりと味わう事ができたと思います。

この日九州はまだ梅雨で、残念ながら遠くの景色まで見渡す事はできなかったけど、その分茂みの向こうのスイッチバックしてきた路線とか、車内とか、駅舎とか、肥薩線ならではの楽しみ方ができたのではないかと思っています。

人吉駅に着き、名残おしいけどしんぺい号から下車。次の便までは1時間半あったので、お昼がてら駅前で行けるところを観光する心づもりでした。
人吉も以前来たことのある街で、その時は相良家墓地や人吉城を巡るという歴ヲタがっつりな内容でした。なので今回は青井阿蘇神社で御朱印もらったり、温泉に入ったり、くま川鉄道に乗ったり、そういう普通の観光がしたいなー…と思っていたのですが…駅前ですごい施設を見つけてしまいます。

それは「人吉鉄道ミュージアムmozoca868」!モゾカとは人吉の方言で「小さい、可愛い」という意味で、868はこのミュージアムの郵便番号だそうです。長い名前です。
2015年5月にオープンしたばかりのミニ鉄道博物館で、デザインはやはり水戸岡氏。人吉駅で看板を見て気になってたら、遠目にもスタイリッシュな建物が、機関車車庫の隣にあります。吸い寄せられるように入館しました。
中は子ども向けの施設で、館内~人吉駅まで走るミニ機関車(ミニ踏切もあるんですよ!)やSL・JR・くま川鉄道の車両説明、機関車車庫の解説、肥薩線の鉄道遺産、などなど展示がたくさん。そして水戸岡デザインなのでそれらが格好良い!わかりやすい!
他に子ども用遊具スペースや鉄道グッズ販売、ちょっとしたカフェや無料休憩所があり、2階からも休憩スペースで車庫が眺められるといった造りです。
トイレも綺麗だし、これで入場無料なのは嬉しい。ミニSL(大人も乗れます)とSL人吉のコラボを見たりと、しっかり楽しんでしまいました。

そんな状態なので、SL人吉入線までの時間はわずか。駅から歩いて5分ほどのところにあるコンビニで昼食を買い込み、急いで人吉駅に戻ります。
汽笛と煙を伴ってホームに入るSL。乗るのは初めてです。車内もしんぺい号と似た感じのクラシカルな造りでこれまた大興奮。指定席のボックスシートだけでなく、展望席やSL文庫、ラウンジの席も素敵です。乗客それぞれが好きな居場所を見つけられる車両って良いですね。

外観の写真を撮っていたところ、何やら人だかりができていました。何と本物のくまモンが、スタッフさんとカメラさんと共に居ます!さすが観光列車、こんなシーンにも出会えるのか!と嬉しくなりながら車内へ戻り、座席を堪能していると何やら背後が騒がしい。振り返ると何と座席に座ったくまモンの後ろ姿が!えええ?!同じ車両に乗るの??
…と驚いているうちにSL人吉は出発しました。

後で知ったのですが、この時はどうやら24時間テレビ用の撮影をしていたそうです。タスキをリレーで繋ぐとかで、くまモンは乗客の親子連れに託して一勝地駅で下車。撮影中だけでなく、スタッフさんとの打ち合わせシーンという、おそらく今後見る事は無いであろうワンシーンに出会えました。
ちなみにタスキは、その後坂本駅かな?から乗ってきた、地元テレビ局のタレントさんに引き継がれてました。
この日のSL人吉には外国人、中国からのツアー客がたくさんの満員御礼でした。私とくまモンが乗った車両にも、日本人のグループは私を含め3つくらい。くまモンはあの家族連れを選ばざるを得なかったのでしょうね…日本語通じないんじゃ無理だものね…

SL人吉は球磨川の中~下流に沿って走ります。段々と川幅が広がって流れもゆったりになるのに、水はずーっと澄んだままで綺麗な景色でした。球磨川といえば急流下りが有名ですが、私ならゆったりとした船旅で八代まで出てみたいなあ。
乗車時間は2時間半と結構長めですが、座席はフカフカだし、車窓は素敵だし、車内はもう見どころ満載だし…八代に着いて街中を走るようになると、いよいよSLとお別れしなくてはならないのかとちょっと悲しかったです。
でも指定席券さえ取れれば18きっぷでも乗車可能なSLですので、乗る機会はまたあるでしょう。

熊本駅では高架ホームに到着。隣には宇土半島をいく三角線のクルーズ列車「A列車で行こう」が停まっていました。外から見てもステンドグラスがとっても綺麗。いつか乗りたい列車です。

さて楽しい時間は終わり、ここからは苦行…いえいえ、これこそ18きっぷの真骨頂。豊肥本線完乗鈍行旅です。
熊本駅を出発したのは17時26分。帰宅ラッシュの中、キャリーバッグを持って乗り込む迷惑な私…肥後大津では次の宮地行きが来ていたので乗り込み、立野のスイッチバックや阿蘇の車窓を楽しみながら、宮地には19時11分に到着しました。
ここでは40分待たなくてはなりません。そして列車が来るまでも時間があるので、夕食を調達しに国道へ出てみます。コンビニでお弁当を買って、駅待合の広い机で食べました。

豊後竹田行きが入線する頃には、さすがに九州といえど辺りは真っ暗です。車窓はもう楽しめないので、本を読みながら過ごします。今回の旅のお供は『泣き虫弱虫諸葛孔明』。『後宮小説』の酒見賢一さんが書く三国志。とても面白いですよ。

豊後竹田駅の改札内ではキジトラ猫さんが入念な毛づくろい中でした。梅雨が続いてジメジメしていて気になるのでしょうね。近づいても触っても全く止めようとしないくらい一生懸命。駅員さんに聞くと、近所からよく来るノラさんで、駅ネコというわけではないそうです。

豊後竹田ではやっとこの日の目的地、大分行きに乗りました。乗ってしまえば大分までは1時間ちょっとです。夜の22時22分に、新しくなった大分駅に到着しました。
大分駅でホームを降りてみてビックリ!全面改装と聞いてはいましたが、あの田舎くさい大分駅はどこへ?何で改札前に記念撮影できそうなお洒落なオブジェがあるの??改札出ても通路は広々、お店がたくさんでピカピカ、アミュが入ってる…!もうここは私が知ってる大分駅じゃない!どこですかここは!
…と相当ショックを受けて、宿であるJRホテルブラッサム大分に入りました。

このホテルは今回の宿で一番楽しみにしていました。
2015年4月にオープンしたばかりで、水戸岡デザイン満載かつ木を多用した和モダンで落ち着く客室。そして大分市街地を一望できる屋上スパ!
ロビーやエレベーターホールはもうHPで見たのと同じ、いえそれ以上に素敵。和柄をモチーフにしたデザインをそこかしこに施し、クラシカルで上品に統一しています。ダブルの部屋を取った(こちらはシングルがありません)のですが、広さはそこそこでも家具や内装デザインはとっても素敵。窓には障子枠がはまり、ワンポイントの細工が可愛い。ホテルは全て高層階ですので、別府湾まで見渡せます。バスルームもピカピカでヘアケアはポーラでした。

鈍行旅の疲れで、フカフカのベッドにすぐさま飛び込みたくなりましたが、そこをグッと我慢してスパへ行きました。スパだけの利用なら1回1500円かかりますが、宿泊客は何度入っても無料です。
内湯もそこそこに21階の展望露天風呂へ行き、地上80mの高さからの夜景を楽しみました。夜だけども別府や国東半島、西側の市街地や霊山のほうまでぐるりと見渡せます。浴槽もあつ湯とぬる湯の2種類あって、両方楽しみながら閉館までゆっくりつかっていました。


0 件のコメント:

コメントを投稿